2011年秋のこと
あれは昨秋のことでした。お酒を呑んで帰宅中の電車の中でのちょっと嬉しい出来事でした。つり革を握って立っていたところ、ある駅に着いて目の前の人がどうぞ!との手招きで席を譲ってくれました。当然のことながら停車駅で降りるのだろうと思い座ったところ、電車が走っても目の前のつり革を持って立っているではないですか?(立場が逆転)それを見て、アッ!降りるのではないんですか?と問いかけたところ「いえお疲れの様子なので・・・!」それは有難うございます—でも申し訳ないので結構です!と言って小生は慌てて立ち上がりその彼女に再度、座ってもらいました。そしてその後、先に降りた彼女は軽く会釈をして去って行きました。とても良い気分で席に座ったことはもちろんですが、世の中捨てたものじゃない! しかし歳の頃は30歳前後だろうか気品のある素敵な女性だった。そんな行いを評して云うのではなく本当に≪立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花≫の女性でした。このような女性は男がほっておかないだろうなあ~と余計なことを想い馳せながら家路につきました。いまでも感謝しています。丸山宏道